本日は下腿部の疲労骨折についてお話していきます。

 

前回も話しましたが、疲労骨折はランニングやジャンプなどの運動動作によって生じることが多く、激しいスポーツを行う成長期から青年期にかけての男性に好発します。

また、その中でも下腿(脛骨と腓骨)は運動の負荷を受けやすい部位であるため疲労骨折を生じやすく、脛骨での発生頻度が特に高いとされています。

脛骨は全疲労骨折の中でも発症頻度が高いとされていますが、骨折が上3分の1または下3分の1部位に生じるものを疾走型骨折、中3分の1で生じるものを跳躍型骨折と呼び、主にランニングやジャンプ動作が原因となり競技・動作によって骨折部位が異なってきます。

跳躍型骨折が多く、一度骨折を生じると治りにくいのが特徴です。

※腓骨の疲労骨折では脚のスネよりやや外側に痛みや熱感を生じます。腓骨は脛骨と異なり、体重の荷重を受けないため、比較的治りやすい骨折であると考えられています。

 

原因は?

下腿疲労骨折は多くの場合はスポーツによって骨に繰り返しの外力が加えられたことで発生しますが、ただそれだけで生じるわけではありません。急に環境や習慣を変えて激しい動作を繰り返したり、靴底や地面が固く運動動作の衝撃が直に骨に伝わったりするなど、環境的な要因も関与しています。

 

症状は?

初期では痛みは運動中にのみ発生します。進行すると安静時にも痛みを感じるようになります。また、亀裂から完全骨折に至ると骨折部が転位を生じて歩行が困難になるほどの強い痛みが生じることも少なくありません。

熱感、腫脹、発赤、圧痛も見られる場合もあります。

 

●疾走型脛骨疲労骨折は2~3ヶ月のリハビリにより完治するとされています。

一方、跳躍型脛骨疲労骨折は先程も話したようにあまり治りが良くありません。完治までに半年以上を必要とするケースも見られるため、早期に競技復帰を目指す場合には手術を選択する場合もあります。

※疲労骨折とシンスプリントとは発生部位、症状が似ているところがあるため鑑別が必要になります。